冬眠。
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ただ一言がほしいだけだった…曖昧な行動ではなく言葉が、ある意味一番僕の中に残るであろう言葉が、一言、ほしいだけだった。

2007-01-13 Sat 10:59

何も無いただ暗闇だけが延々と途切れることなく広がる場所に、僕は立っていた。どのような過程があって、どのようにしてたどり着いたのか、全くといっていいほど分からない。いつもの風景の中で、毎日無意識のうちにする瞬きをした次の瞬間、僕は黒の世界に立っていた。
周囲は本当に何も無くて、光の破片すらも無くて、本当に自分がいるのかどうかも確認できない。震える手で反対の腕を取ってみると、柔らかい肉の感触と温かい温度を感じたので、少なくとも自分は生きているということは分かった。だが、それ以外は全く分からない。
ここがどこなのか、何故ここにいるのか、今何時なのか。
足を踏み出そうと思っても、何故か躊躇してしまう。もしかして、自分のいるところだけが平面で、そこから一歩でも動いてしまえば落ちてしまうのではないかという恐怖がこみ上げてくるからか…。
弱気な心に強がりの鞭を打ち、僕はがたがた震えいうことをきかない足を無理やり前に出した。落ちは、しなかった。足元にはきちんと、どこまであるかは分からないが、少なくともそれなりの平面が広がっているように感じられた。
恐る恐るただ暗闇の平面を…いや、本当にここは平面なのか…世界中の黒という黒が集められた空間なのでは…もしくは、たまたま黒の集まったところにできた点なのではないか…
冷たくもなく暑くもない最適温度の黒の中を歩いている。
本来であれば、一欠けらの光すらない闇の中に放置されれば、人は恐怖に押しつぶされどこか狂ってしまうのであろうが、僕は何故だか名に落ち着いていた。光の中にいたときはあれだけ激しく波打っていた水面は、今水の描く同心円の波紋さえも描き出さない。
歩いている。一言も言葉を発さず、ただひたすら黙々と。
この先に何があるかなんて知らない、目的はわからない、ただ歩いている。
すると、遠くの方に白い明かりがみえた。
その白を見た途端、僕は自分でもわからないうちにそれに向かって駆け出していた。光に群がる蛾のように、ただその白を目指して……
どれくらいの距離を駆けたのか分からない。一キロだといわれればそんな気もするし、三歩だといわれても納得できてしまう。
光の近く、でも光のあたらない闇に立って、僕は魅入るように黒の中に現れた白を凝視した。それは触れれば温かく、優しく慈悲深く、思わずすがりつきたくなるほどの魅力を持って在った。
僕は手を伸ばそうとして、光に触れる前に引っ込めた。
そしてその代わりに、光の近くの暗闇に座り込み、その光を眺めながら巡っているのか止まっているのか分からない時をすごし始めた。
時には光に向かって話し掛け、またある時は光に触れようと手を伸ばし――結局はいつも指先、つめの先さえもが触れる前に何故か引き戻してしまうのだが――気が向けばその周囲を延々を周りつづけ、気が向かなければ何をするでもなくただぼんやりと黒の中に身を置きながら異色の白を見つめていた。
ある日、僕はふとあることに気がついた。
今はまだ僕の目の前にいるけど、この光はいつか消えてしまうのではないのか、と。
いつまでも同じモノなど存在しない、生きているもの死んでいるものにかかわらず、形のあるなしにかかわらず、モノはいつまでも同じ形で同じ場所には存在してない、できない。
自分もそうではないか…光あふれる世界から闇の世界に降り立ち、始めた狭い範囲を動き回っていたのが今ではかなりの広範囲を動き回り、以前までは闇の中で安堵を得ていたはずが気がついてみると白の周りで安堵を得ている。白に恐怖していたはずが、今は黒に恐怖している。
ならば、この安堵を源である白が消えれば僕はどうなってしまうのか。
この闇に押しつぶされ、正気を失い、恐怖に襲われ、そしてそのまま廃人になってしまうのではないか…
恐怖を身体が駆け抜けた。そして思いついた。
だったら、そうなる前に――勝手に消えてしまわれる前に――自分の方から見を引くか、消えるように促せばいいのだと…
自分勝手で我侭な餓鬼の考えだ。でも、僕の心は弱くて傷つくのが怖くてだったら傷つけられる前に手を打てばいいのではないかと考えた。愚かな結論を、導き出した。
それから僕は、黒に向かって語りかけ白に向かって罵声を浴びせ始めた。闇に温かい態度をとり光に冷たい態度を取るようになった。ありもしない自分のゆがめられた真実を、本当に伝えたい対象とは逆のものにあたかもその対象がそうであるかのように言葉をかけた。
ある日、眠りから覚めるとそこはいつもの…そう、初めてここに来たときと同じただ暗闇が延々とどこまでも、果てなく広がっていた。
黒だけが在って、白はどこにも無かった。

あの温かく、触れたくて、その中につかって自分の抱えている愚痴、弱さ、脆い部分、人には気軽に話せない個人的なこと、考え、想いを飽きることなく語りたくて、その優しさに甘えてしまいたかった白は、僕の前から消えてしまった。

そうするように仕向けたのは、他の誰でもない僕自身で、だからこれは当然の結果で、自分もそうなることを望んでいたはずなのに、いざそうなってみると僕の心は崩れた。
らしくも泣く涙を流し自分のバカさ加減を呪った。
母体の中で眠る胎児のようにその見を小さく小さく丸めて、最適温度の闇の中でうずくまった。
唇からつむぎだされるのは、今更過ぎる、謝罪の数々。震える声で、謝りつづけた。
ごめんなさいごめんなさい弱くてごめんなさい傷つけてごめんなさい裏切ってごめんなさい気持ち踏みにじってこめんなさいごめんなさいごめんなさい生きててごめんなさい存在していてごめんなさい好きになってしまってごめんなさい出会ってしまってごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい
まるで懺悔のように、まるで呪詞のように、それらの言葉だけを延々と飽きることなく、その言葉しか知らないかのように、体内で眠る赤子のように身を縮ませ……いや、そんな生命力あふれる温かく無垢な存在じゃない、最低の見下し見放し見果てた人間が、ただ命乞いをするときのような無様な格好で、自分のようなそんな見果てた人間さえもまだ持っていることが信じられない涙というものを流しながら、僕は闇に飲まれていった。
あぁ自分が望んだ結果だというのに。
後悔すると知っていてやったことなのに。
自分のバカさ加減を、エゴイズムの塊であることを、自分を傷つければ少しでも自分のことを気にかけてくれる全ての人が傷つくということをよく知っているくせに同じことを繰り返していることを、弱さを、人の神経を逆なでする言動を、思いやりの無さを、全てを…僕の存在自体を、生きて呼吸していることを、心臓が動いていることを、タイピングしてる今この瞬間を、不快に思う…
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